プレゼント 平松(6/11)
    「チーズはどこへ消えた」と同じ作者で、物語の進行の仕方も良く似ています。でも内容は全く違います。主人公の男の子は大人になり、最後老人になるまでにいろいろな人生の壁に遭遇します。そのつど悩み、しかし答えを見つけ、克服してゆき、少しづつ少しづつ考え方が成熟してゆくさまを描いた物語になっています。ページ数も少なく、読みやすい表現で書かれているので、1時間程で読めてしまいました。読み進めるうちに主人公と自分自身がしだいに重なり合い、話の中で、一緒に悩みながら、一緒に解決してゆくような感覚になりました。恐らく誰もが迷い悩む事。でもその理屈が理解できない。分からない。考えるのをやめよう。と思ってしまうようなむずかしい現象に対しての捉え方を、わかりやすく、そしてゆっくり気付かせてくれるこの物語に、作者のやさしさを感じます。言葉ひとつひとつも、洗練されており(たぶん翻訳も良いのでしょう)、シンプルでありながら内容が本当に豊かなお話でした。
    2013年5月29日 推奨図書 感想文(0) 【OP図書ナンバー19】